電話が鳴るのは、いつだって、突然だ。11時19分だとか、3時53分だとか、全くもって切りの良くない時間に、脈絡もなく、こちらの都合などお構いなしに、突然けたたましく鳴り響く、当たり前のことだけど、僕はそれをとても暴力的に感じる。電話は苦手だ。大抵の場合、僕は着信を告げるスマホの画面をただただボーッと眺めて、留守番電話に切り替わるのを待つ。そう、いつもなら。
そんな僕なのに、つい出てしまう電話、というものがある。あり得ない時間に、あり得ない相手からかかって来る電話だ。そんな電話は、出る前から不穏な空気を放っている。そしてその予感は、大抵の場合、当たっている。… READ MORE