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恥の目

Instagramをそれとなく眺めてたら懐かしい顔が出てきて手が止まった。そこに写る彼はリバ邸初期のメンバーで、最近はお互いに連絡を取ることもあまりなくなっていたのだが、久しぶりに写真で見る彼はとてもいい顔をしていた。いや、いい顔になっていた、というか。

いろんな思いを抱えたやつらがリバ邸にやってくる。その中にはたまに、とてもひどく暗い顔をしたやつもいる。強烈な失敗体験やコンプレックスを持ったやつらの、「恥」みたいなものを目に抱えた、その顔が僕は好きだ。弱さ故に社会からはみ出てしまったダメなやつが、僕は好きだ。なぜならその弱さは優しさになり、強さにもなることを知っているから。… READ MORE

高木新平という男

Livertyやリバ邸など、いろんなプロジェクトを共に立ち上げた高木新平と数ヶ月ぶりに飲んだ。近況報告に始まり、最近ハマっていること、良かった本などを教えあう。「最近は哲学史を勉強してるんだよね」「だったらこの人の本いいですよ」やつは一回り近く下のはずなのに何でも知っていて、頭の回転が早く、プロジェクトでは僕が感覚でやることをいつも言語化してくれていた。

ぶつかることも多々あったように思うが、あまり覚えてはいない。しんぺーとは数ヶ月おきにサシで飲む。まあ大体どちらかが病んでる時などに連絡を取り合うのだけど、そういや2年前かな、カウンターしかない本郷の小料理屋で日本酒を飲みながら、しきりに二人で死にたい死にたいと言ってたこともあった。そのあと何かが変わるかもと期待してバーニングマンというアメリカの祭りに行ったのだけど、からっからの砂漠のど真ん中でただただ酒を飲んでは蒸発させるという行為を繰り返しただけで、別に何も変わらなかった。… READ MORE

アマゾンより早いハヤゾン

ちょっと前にLivertyで一瞬だけやった「ハヤゾン」というサービス。これは「Amazonより早く本が届く」を売りにしていて、実際注文があると3時間くらいで届く。どうやってたか種明かしすると、うちのスタッフが本屋に張り付いていて、注文があるとそこで購入して自転車で届ける笑。

ハヤゾンの種明かしをすると「なんだバカバカしい」と思われるかもしれないが、これはこれでとても画期的だったと今でも思っているし、「今すぐ読みたい!」なんて、実際使いたいと思う時が多々ある。本屋があるんだから、在庫や倉庫なんていらないじゃん!という発想。

Livertyでやっていた、おつかいをお願いしたい人と、近隣で暇してる学生をマッチングする「僕のおつかい」も同様のサービス。今は一旦休止中だけど、アプリさえ出来れば、普通にタバコとかクリーニングをお願いしたいなあ、と思う。人さえいれば(自分含む)立ち上げられるビジネスって最強。… READ MORE

海外より日本の地方が面白い

海外に興味は無いのですか、とよく問われるが、正直、全く海外には興味が持てない。まあそもそも国家の境界線が曖昧になりつつある時代に、国内と海外を分けて考えること自体がナンセンスだとは思うけど、僕にとっては日本、特に地方がいま超面白いて熱い。その理由は二つある。

一つ目の理由は少子高齢化の問題。今後先進国を覆うこの問題の先端を行ってるのが日本の地方。つまり地方でこの問題に取り組むことが、他の先進国に対するロールモデルになり得るということ。不謹慎かもしれないけど、この問題に真っ先に取り組めるってのはある意味エキサイティングだよね。

僕らも”タブレットばら撒きテロ”や”geimy”などで、都心の若者と地方のお年寄りを接続していけたらいいな、と動き始めている。そうやって若者とお年寄りが繋がって行けば、血の繋がりすら薄れてきてる今、若い子にとって第二第三の故郷が日本各地に出来るかもしれない。… READ MORE

マネージメントしないマネージメント

僕らのやっているLiverty、そして今日本中に増えつつある”現代の駆け込み寺”リバ邸。よく「どうやって管理してるんですか?」と聞かれるが、正直全く何も管理していない。プロジェクトもシェアハウスも、”やりたい”という子がいる限り、基本的にその子に任せている。マネージメントをしない、というマネージメント笑。

全てを把握してマネージメントしようとするから、コストが莫大になってしまう。そもそも感情の生き物である人間を完全に管理・コントロールしようとするのが間違いで、”人を管理することなんて出来ない”という前提の元、その個々の人間とどうつきあっていくのか、を考えなきゃいけない。… READ MORE

ダメな子

BASEアプリを作った子は、数ヶ月前に「何もやりたいことがありません、家入さんに会えば何かが変わるかも知れないと思って」と熊本から一文無しでリバ邸に訪れたダメな大学生。またやばいの来たなと思ったけど、あっという間にアプリプログラマに成長した。何も無い子ほど、吸収力がはんぱない。

僕に相談しにくる子は大半がそれっきりになってしまうけど、こうやって僕やLivertyのもとに残ってくれて踏ん張った子は、何かしら形にして自分の居場所を自ら作り始める。リバ邸はそのためのきっかけ作りの駆け込み寺。何も出来ない、何もやりたいこともない、そんな子ほど成長出来る場所。

僕はそんな子たちを愛を持って「ダメな子」と呼んでいます笑。ダメな子だからこそ、何かを形にする時にそこにストーリーが生まれる。そのストーリーに共感する人がお客さんになり、ファンになり、SNSで拡散してくれる。器用に生きる人にはストーリーは生まれづらい。不器用が武器になる時代。… READ MORE

0円採用

今回僕がやっている様な給与0円採用はやりすぎだとしても、給与額だけで人材を集めようとしてもGREEやモバゲーの提示額には敵う訳がない。それなら軸をずらして、給与以外のメリット、やりがいや意義みたいなものを提示して募集するしか無いよね。そこにメリットを感じる方のみ応募してね、と。

人が集まらない、とただ愚痴ってる会社が多いけど、給与以外のメリットを何も提示出来てないだけなんだな。極端な事を言うと人はメリットを感じないと動かない。給与も低い、意義も感じられない、そんな会社に誰も応募しない。会社の物語を語って、その物語のいち登場人物になりたいと思わせなきゃ。

先日の給与0円採用、数十件も応募が来ている。学生、ニート、社会人、休職中、いろんな子が応募してくれてるけど、みんな何かやりたくてウズウズしてるんだな。ちゃんと返信するのでしばしお待ちを。みんなと会いたい。… READ MORE

夢なんて見なくていい

Livertyから続々と20代前半の起業家が生まれてるなあ。色んな説はあると思うけど、歳をとればとるほど体力も落ちるし親や妻子など背負うものも増えてくから失敗のダメージが少ないうちにチャレンジすべきだと思う。学歴とか社会経験とかすっ飛ばしちゃって。

まずは経験を積んでから、とか、人脈を作ってから、とかって考え方嫌いなんだよね。やりたい事が見つかってるなら後はどれだけ早くやるか、しかない。世界中で頭のいい人たちが寝ずに同じ様な事をやろうとしている中で、ダメな僕らはいち早く動き回るしか無いんだよな。経験も人脈も後からついて来るよ。

新卒で入って本業を頑張って実績を出したところで、上のお偉いおじさん達が会社にしがみついてる限り昇級も昇進も見込めない時代にどうサバイブするかって話だと思うよ。明日も会社がある保証が無い中で、どう生きてくか。死なないためには働きながら色んな顔を作るしかない。… READ MORE

搾取

日本人ってつくづく「搾取」という言葉が好きだなあ、と思う。搾取する側、される側。二項対立、二元論。

二項対立で物事を理解したり、意見を表明したり、煽ったりするのって楽なんだよね。勝ち組負け組、右翼左翼、搾取する側される側。でも本当に大事なことってその1と0の間にグラデーションで存在すると思うんだよね。1と0でしか理解しようとしないというのは思考の放棄だと思う。

0と1の狭間のグレーゾーンの存在を受け入れられない世の中は本当に息苦しいと思うよ。雇用する/される働き方しかないから息苦しい。副業を禁止され自由に働けないから、辞めるか独立するかという決断しかとれないから息苦しい。Livertyという組織は、そんな狭間の中で泳ぐ実験をしている。… READ MORE

僕は血の繋がりにそれ程の意味を感じられずにいる。極論言うといくら血が繋がろうとそこにいるのは僕にとっても相手にとっても他人である。どこまで行っても他人である以上「わたしはあなたを一方的に愛する、それをあなたがどう思うかは知らないが」この態度しか無い。それ以上でも以下でも無い。

親だから、爺ちゃんだから、面倒を見なきゃいけない。最後まで看取らなきゃいけない。延命させなきゃいけない。その思い込みが自身を不自由にする。年寄りは若い人より先に死ぬ、その単純な前提に立つだけでいい。その上で自分がどう振る舞うか。そこで自分に責任を感じる必要なんて無い。

人間は血の繋がりに意味を見出そうとする。だけど所詮他人、わかりあえる訳なんて無い。血が繋がってるからわかりあえる、そんなの幻想だよ。わかりあえると期待するから、わかりあえない時に絶望する。わかりあえないのを前提に、どう一方的に愛するか。それしか無い。… READ MORE

Livert婚

深夜に「話が…」と急遽家にやってきたLivertyの男の子。なんだろう、俺また詰められるのかな…と恐る恐る話してみると、なんとLivertyで出会った女の子と結婚するらしい笑。Livertyが出来てまだ一年、ここでもまた新しい居場所が出来ました。嬉しい。おめでとう! … READ MORE

311

震災から二年。情けないことにこれまで直視することを避けて来た。そしてそれを悔やんでるけど時は戻らない。現地で目を見開いて、匂いを嗅いで、肌で感じて、これから僕が出来ることを形にしていきたい。二年前には持ってなかったものが、今はある。救うなんておこがましいけど、繋ぐ事は出来るはず。

石巻市の追悼式に行ってさ、僕の目の前にいるたくさんのじいちゃんばあちゃんの後ろ姿を見て「ああ、日本にはこんなにお年寄りがいるんだな」と思ったよ。いや当たり前なんだけど、普段見ているIT世界では接する事も無いからね。これからの社会でこの世代とどう接がってくかはとても重要だなと再認識。… READ MORE

駆け込み寺リバ邸

Livertyで立ち上げた、六本木の駆け込み寺シェアハウス、リバ邸。

僕が発信しているメッセージは単純で、死を選んだりノイローゼや鬱になるくらいだったら、さっさとその場から逃げろということです。逃げた先で居場所をまた作ればいい。居場所を中心とした濃い関係性の構築が、自殺者を出さないシステムになる。それを僕らはアジール(駆け込み寺)と呼んでいます。

アジールとは歴史的・社会的な概念で、「聖域」「自由領域」「避難所」「無縁所」などとも呼ばれる特殊なエリアのことを意味する。ギリシア語の「ἄσυλον(asulon:侵すことのできない、神聖な場所の意)」を語源とする。wikipediaより… READ MORE

新しい学校

今やろうとしている新しい学校。どうしても授業料0円で出来ないかを考える。「金を払わなければ人は本気で学ばない」とは本当だろうか。受講生から授業料以上の何かをリターンしてもらえるのなら、入校ハードルを高くして逆にお金をあげてもいいくらいかなと笑。

授業料をとれば、むしろ受講生は消費者としてお客様感覚に陥り「今日はだるいしサボろう、だって俺お客さんだし」とならないだろうか。金を払わなければ本気にならない、なんて嘘じゃないのか。そして学校側もお金を受け取ることで本気で怒れなくなってしまう。学校ってそういうものだっけ?

大阪の無報酬デザイナー募集についても言及したけど、お金を払う側・受け取る側という関係性が変化してきている気が何と無くしていて。完全無償有志集団Livertyの中からBASEという急成長サービスが生まれた。お金の関係性じゃないところからモノが生まれ始めているんだよね。少なくとも僕の周りでは。… READ MORE

起業芸術論

村上隆さんはすべてのアーティストは起業家である、と言った。逆もまたしかりで、すべての起業家はアーティストであると僕は言いたい。時代の文脈の中で事業を立ち上げ、世の中に投げかける。文脈を欠いたビジネスは薄っぺらさがすぐにばれ、客に選ばれずに消えていく。

物も情報もあふれてる今、面白そうだとか儲かりそうなだけで立ち上げるビジネスは淘汰される。過去を学び、時代を読み、自分がやるから意義があるものを。IT化であらゆるビジネスの障壁が下がり、新規参入や模倣が楽になる。その中で選ばれるものは文脈を持ったものになる。

怒りやコンプレックスを原動力にして、アーティストが作品をつくるようにビジネスをつくる。コンプレックスはあればあるほどいい。資本主義というキャンバスに絵の具をぶちまける。起業なんて特別なことじゃない。ものをつくることは自由を手に入れること。… READ MORE