ワンオブゼム

“自分”という人間を一つのものとして考えるから、自分探しや自己実現なんてものを追い求めてしまう。見せ方なんて気にしてしまう。何者でもない自分、なんて現実を受け入れられず目を背けようとする。”本当の自分”なんて幻想で、あるのは自分という人間の生きてきた時間と状況の変化の積み重ねだけ。

ナンバーワンよりオンリーワン、もいいけど笑、自分なんてただのワンオブゼムであることを知る。自分なんて所詮、替えのきく大勢の中の一人な訳です。自分なんて存在しなくても、明日も世界は回り続ける。僕はよく、自分のいない世界を妄想するけど、その世界は今の世界と全く何も変わらない。

自分なんていなくても回る世界で、生きる意味や本当の自分なんて幻想を追い求めるから、結局見つからずに絶望する。あるのは自分という人間が生きてきた、時間の積み重ねのみ。つまり自分だけの物語。そしてその物語こそが自分だけのもの。生きる意味なんて無いが、一人一人の物語だけはそこに存在する。

“本当の自分”なんか探さなくても、物語は実はすぐそばに落ちてるんだよね。自分という、社会的に替えのきく、特別でも何でもない、愚かな人間が綴る物語。それだけは替えられない。辛い過去や駄目人間であればあるほど、その物語は面白くなる。成功伝を読んで他人の物語をなぞる必要なんて無い。

本当の自分や生きる意味を外に追い求めたり、無理に自分を変えようとするのでは無く、今まで生きてきたそのままの自分を受け入れて、すでにそこにある物語を見つけ、続きを綴る。自分探しより物語探し。でした。「具体的に何をすればいいのさ」という声も聞こえてきそうだけど、それはあなたの物語。笑

そしてこんな偉そうなことを言ってる僕ですが、またしても先週2つの講演をドタキャンしてしまいました…主催・登壇の皆様、来てくれたみんな、本当にごめん…なさい…本当に駄目なのは僕でした……消えたい…