おにぎりを握る

いろんなことが複雑になり過ぎていて、例えば自分の給与がどういう経緯を経て口座に振り込まれてるのか全くわからない。わざわざ誰も説明したりしないしね。そこでね、例えばおにぎり屋さんみたいな小商いをやってみたらいいんだと思う。俺握る、お前買う、以上。大人のキッザニアとかも良いかもね。

僕が引きこもりから脱するきっかけになったのが新聞配達だったんだよね。ただ毎朝配るだけ。スキルもコミュ力もいらない。んでたまに早起きな爺ちゃんに「ありがとう」とか言われる訳。もちろん遅れて怒られることもあったけど。働く、なんてのは、社会との小さな結び目を作ってくことなんだと思う。

「働く」とは、生活の手段であるとともに、「自分とは何か?」という社会への帰属にも繋がる行為。仕事で後者が満たされない時、人は諦めや虚しさを覚える。やりたいことがない、本当の自分じゃない、自分は必要とされてない、なんて。それは社会との結び目がほどけようとしてる状態。だから焦る。

好きなことを仕事にしたい、なんて夢を人は見るが、そんなことはなかなか実現しない。やってみたら実は好きじゃなかった、なんてこともあるしね。夢を見せてくれそうな希望就職先も、当たり前だけど結局は会社のロジックで動きます。自分らしく働く、なんて幻想を見るから、現実とのギャップに悩む。

あれ、まとまんないな…

好きなことを仕事に出来なくても、仕事を好きになれなくても、自分らしくいられなくても、やりたいことが無くても、「お疲れ様」「ありがとう」と言ってくれる人のためになにかをやってみるところから始まることも多いと思うんだよね。俺おにぎり握る、お前買う。自分なりのおにぎりを作ってく。

特段好きでも無いことを、夢も希望も持たず、ただ求められるからやる。自分のやるべきことをやる。こういう態度を、僕はとても、美しいと思う。

あなたのおにぎりはなんですか。