All posts tagged “物語

物語を意識するということ

(社内wikiより)

お疲れ様です。家入です。 突然ですが引用します。

インターネットは、「伝える仕組み」です。いわば、人間の生み出す情報という「料理」をすばやくどこにでも届ける「お皿」です。ほんとうは、一番面白いのは、お皿に何をのせるかということのはずです。お皿自体には、ぼくはあまり興味がないのです。

15年前に発刊された糸井重里の「インターネット的」の一文です。 糸井さんはまたこうも言っています。

 (インターネットにおける)もうひとつの大切な鍵は「シェア」です。翻訳するなら、「おすそわけ」といったニュアンスでしょうか。(中略)  人や企業が、シェアということを、もっと大事にしていくようになったら、いままでの社会の仕組みが、ガラッと変わってしまうかもしれません。… READ MORE

個人的な物語

豊かになる物語が終わって、成熟したその先の、希望のない物語をいま歩んでいるのだと感じる。否応無く経済が小さくなっていく課題だらけの日本に今いるということ。起業にしろ何にしろ、その課題に対して一人ひとりがどう振る舞うのかを突きつけられているのだと思う。

仕事上若い子のいろんなビジネスプランを聞く機会があるけど、個人的な物語がビジネスを通じて社会の課題解決に繋がってるものを、僕は美しいと思う。

アイデアがたくさんあろうがいくら革新的であろうが、その人にやる意義のないことは全て他の誰かがやれば良い。自分がやらなくて良いこと、やるべきで無いことを消去法で削っていって最後に残ったものが、その人だからこそやる意義のあることだろう。意義の先に物語があり、その物語が人を惹きつける。… READ MORE

ここでしか見れない景色

もし自分が小さなカフェオーナーだったら、ということを考えると、地方創生については理解しやすくなる気がする。大手レストランの真似ばかりしたり比べていてもお客さんはやってこない。小さくても、華やかじゃなくても、自信を持って言える「何か」は自分のそばにある。それは与えられるものじゃない。

上手くいった他店の真似ばかりした結果、コピペしたようなお店ばかりになってしまう。「こうすれば上手くいきます」なんてやり方は無いんだよね。街並みも、ゆるキャラも、町おこしイベントも、既視感しかない。コピーされるものの価値は限りなくゼロに近くなる、これはデジタル産業に限った話じゃない。… READ MORE

ほら足元を見てごらん

豊かさを目指した大きな物語が終わり、物語以後の日本を僕らは生きている。生活必需品は揃っている。餓死もしない。豊かさは実現した。その先の幸せとは?金も名誉も虚しい。経済危機や震災や津波で全部あっという間に壊れてしまう。学校や会社にいても孤独を感じる。友達はいる。でも寂しい。

何かをしたい。でも何をしていいのかわからない。出来るとも思えない。自信が無い。劣等感や辛い過去が自分を縛る。コミュ障。ネットの向こう側の友人とやりとりしても虚しい。世界に自分一人だけ取り残された気がする。死にたい。死ぬほどの勇気もない。生きたい。でも生きる理由も見つからない。

何だあいつら結局リア充じゃん。リア充は敵だ。羨ましい。妬ましい。むかつくから叩いちゃえ。見渡せば敵だらけ。韓国?中国?全部敵だ。原発も東電も放射能も敵だ。一致団結して叩かねば。生活保護?俺らの血税を無駄にするな。困窮するのは自己責任だ。頑張らないからだ。俺らまで巻き添えにするな…なんてね。… READ MORE

起業するなら哲学を

起業をしたい子には、ビジネス本では無く、宗教や哲学本をお勧めするなあ。経営は結局のところ、他人や自分の心とどう向き合うか、が大半だから。宗教は最古の組織体でもある訳だしね。後は社会学本もお勧めかな。起業とは、社会や時代という大きな物語の中に、自分の物語を重ねることだから。

哲学や宗教本には別に答えなんて何も書いてないよ。何かやりたいけど何をしたら良いのかわからない、なんて子は、自分自身の物語が欠如していると思う。自分が起業などしなくても回るこの世の中で、あえて何かをやる意味や自分とは何かを考え物語を再構築する。そして宗教ではなく自身の物語を信仰する。

かつて宗教を信仰し信仰対象を絶対化することで、人は死や悩みや理不尽な事を相対化させ乗り越えてきた訳だけど、起業とは自身の物語にそれを求めることなんだと思う。即ち、コンプレックスや過去の辛い出来事を自分の物語の中で相対化させることで、その人だからこそやる意義のある事業が生まれる。… READ MORE

ワンオブゼム

“自分”という人間を一つのものとして考えるから、自分探しや自己実現なんてものを追い求めてしまう。見せ方なんて気にしてしまう。何者でもない自分、なんて現実を受け入れられず目を背けようとする。”本当の自分”なんて幻想で、あるのは自分という人間の生きてきた時間と状況の変化の積み重ねだけ。

ナンバーワンよりオンリーワン、もいいけど笑、自分なんてただのワンオブゼムであることを知る。自分なんて所詮、替えのきく大勢の中の一人な訳です。自分なんて存在しなくても、明日も世界は回り続ける。僕はよく、自分のいない世界を妄想するけど、その世界は今の世界と全く何も変わらない。… READ MORE

0円採用

今回僕がやっている様な給与0円採用はやりすぎだとしても、給与額だけで人材を集めようとしてもGREEやモバゲーの提示額には敵う訳がない。それなら軸をずらして、給与以外のメリット、やりがいや意義みたいなものを提示して募集するしか無いよね。そこにメリットを感じる方のみ応募してね、と。

人が集まらない、とただ愚痴ってる会社が多いけど、給与以外のメリットを何も提示出来てないだけなんだな。極端な事を言うと人はメリットを感じないと動かない。給与も低い、意義も感じられない、そんな会社に誰も応募しない。会社の物語を語って、その物語のいち登場人物になりたいと思わせなきゃ。

先日の給与0円採用、数十件も応募が来ている。学生、ニート、社会人、休職中、いろんな子が応募してくれてるけど、みんな何かやりたくてウズウズしてるんだな。ちゃんと返信するのでしばしお待ちを。みんなと会いたい。… READ MORE

一億総クリエイター時代

立ち上がりからのスピードが重要なスタートアップこそ、広報PR担当を入れるべきだと思う。エンジニアなどに比べプライオリティ低く考えられがちだけどね。傭兵みたいにスタートアップを渡り歩くPRがいても面白いかもしれない。

良いサービスなのに人知れず消えてくものが多い。良いものを作れば自然と広がるなんて幻想は捨てた方がいい。物余りの時代、人は機能では無く物語に惹かれ物を選ぶ。物語を紡ぎ、語る人間が必要。ただ広告宣伝費をかけるんじゃなくてね。

ネットやSNSの浸透で個を中心とした小さな経済圏が増えている。これはetsyの伸びでも明らかで、一品ものの作品を少しずつ売るクリエイターが急増している。少数の作り手が大儲けする時代は終わり、買い手より作り手の数が上回る時代がくる。これは音楽も出版もファッションも同じなんじゃないか。… READ MORE