想い続ける

地元の生産者の方々と交流をしながら、被災地の食材を食べつくすイベント、「解放食堂」を始めたきっかけは、高木新平と共に被災地を回った時の出来事でした。僕らは連日、地元の漁師さんが集まるようなスナックに行っては酒を浴びる様に飲み、ベロベロになりながら、ももクロなんかを入れて踊ったりしてたんだよね。地元のお客さんも巻き込んだりして。

ほんで、スナックのママに「もう帰りなさい」とか怒られて帰ろうとしてた時、お店の若い女の子が「今日はとても楽しかった、ももクロを踊れる日が来るとは思わなかった、地元の人間でもふざけたりしちゃいけない”空気”が震災後ずっとあったから…」と言ってくれたんだよね。

自粛や不謹慎と言った同調圧力の中で息苦しさを感じてる人たちもいるんだな、と。真面目に正しい応援をしている方々はたくさんいる、じゃあ僕らに出来る僕らなりの応援はなんだろう、と考えた。それで出来たのが「解放食堂」なのでした。

「支援はこうある”べき”」の”べき”を解放したかった。地元の方をお呼びして一緒に酒を飲んでバカになる。そういった会を定期的に各地でやってくことで、支援の輪を広げ、日々報道されなくなっていく震災のことを忘れずに想い続ける。僕らに出来るのは一方的に想い続けることなんだと思う。

東北で震災が起きた。でもそれは東京だったかもしれない。京都や福岡だったかもしれない。人生と同じで、理不尽な出来事はいつだって僕らの身に降りかかる。起きてしまったことを無かったことには出来ない中で、でもそれを次に繋げるためには、想い続けるしか無いんだと思う。