プロとアマの違いなんてなくなる

プロとアマの違いなんてなくなるツイートまとめ。長文です。笑

区が無報酬デザイナー募集…抗議殺到、計画中止 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://t.co/OzI18b8Smv

この件、抗議する意味がわからない。無報酬でも実績を作りたい子が応募すればいいだけの話し。業界を守れ!とか言って、結局食いぶち守りたいだけなんだよ。

遅かれ早かれ、単純な請け負い制作の単価はどんどん下落していくよ。こんなとこで抗議してる場合じゃ無いと思うけどね。

将来の不安や閉塞感などで焦る気持ちはわかるけど、戦うべき相手を見誤っちゃいけない。戦うべきは行政なのか?違うよね。本当に業界の事を考えるのなら、今一番にやらなきゃいけない事は他にあるはず。お上を叩く事で動員して一致団結しても、安心感は得られるかもしれないけど何も変えられない。

無償でもやりたいという人がいる限り、こういった公募は増えてくだろうし、そもそも今回の様な抗議行動を毎回とってたら、それこそ最終的には安価な海外に仕事を発注する様になりますよ。国内の業界的にそれでいいんですかね?

クラウドソーシングなどの登場による制作対価の引き下げも近い話なのかもなあ。「正当な対価を!」と声高に叫んだ所で、その安い金額で仕事を受ける個人が、国内外問わずいる限り、対価は下がり続ける。プラットフォーマーや案件ごとに文句を言ったところで何も変わらない。

今回の抗議した人たちって、老人雇用のせいで若者が就職できない!とか、無償ボランティアのせいで労働対価が下がる!とかそんな感じの思考なのかなあ。それは違うと思うんだけどなあ。飛躍しすぎ?

参入コストが急速に下がってくなかで、本当の意味で一億総クリエイターの時代がやってきてるよ。出版もデザインも音楽もファッションも絵画も、極端な事を言うと消費者数を作り手が上回る時代がくる。その中でクリエイターがやるべき事は何か。業界という名の共同幻想を守ってる場合じゃ無いんだよね。

一億総クリエイター時代がくる!なんて理想郷の様に僕もみんなも口にしてたけど、そんな時代が本当に訪れた時、プロフェッショナルとアマチュア、メジャーとインディーズなんて境界線は全て曖昧になり、今までプロとして食えてた人が食えなくなるんだよ。儲かるのはプラットフォーマーだけ。

避けられない流れの中で、これらの事をある意味警告の様に発信し続けてるつもりなんだけど、旧来の人たちにどれだけ伝わってるのか不安になる。表現者はニコ動の登場に喜んでる場合じゃ無いんだよ、まじで。表現者が表現だけでは食えない時代がくるんだよ…

例としてファッションモデルなんかはわかりやすくて、モデルという職業がコモディティ化した結果、「読者モデル」なんて読者なのかモデルなのかよくわからない曖昧な職業が登場し、渋谷で石投げりゃ「読モ」に当たる様な時代。結果、モデルのハードルは下がり、食えてたモデルも食えなくなってきてる。

電子出版がやってきてそれまで夢のまた夢だった出版が誰でもコスト低く出来るようになる。ニコ生の登場で誰でも不特定多数へ生放送が出来る。3Dプリンターの普及化で誰でも造形士になれてしまう。全て同じ流れ。コストもハードルも下がり、プロがプロたりえてた部分がコモディティ化し均一化していく。

正当な対価だの、健全性を守れだの言ってるやつらは結局、既得権益を守りたいだけなんだよね。もちろん、そこで食ってる人間の心理としてわからなくも無いんだけど、そんな事言ってても何も変わらないでしょと。ぬるま湯の中で茹で蛙になりつつあるのに気がつかないのかなと。