僕からstudygiftについて

5/17にリリースしたstudygiftについて、ご支援いただいた皆様はもとより、関心を持っていただいた多くの方に対して、多大な混乱を招いてしまったことを、心よりお詫び申し上げます。また、数多くの電話の問い合わせにより業務に支障をきたしてしまった早稲田大学の職員の皆様、そして我々の認識の甘さで個人攻撃にさらされてしまった坂口さんにも深くお詫び申し上げます。

今回の件で多数お問い合わせいただいたヨシナガ氏のプライベートな件については、氏のブログにて記載されていますのでご確認ください。
http://www.dfnt.net/t/photo/extra_img8/study.txt

以下、時系列で書かせていただきます。
言い訳がましいと思われる表記があるかもしれませんが、僕は一切この件に関して言い訳をするつもりはありません。また、このサービスにかける想いは真実ですが、それが免罪符になるとも思っていません。

■studygiftをやろうと思ったきっかけ

そもそもstudygiftをやろうと思ったきっかけは、ヨシナガ氏の紹介で、今回の支援対象となった坂口さんと出会った事でした。元々彼女の事は知っていました。google+で空の写真を上げ続けたらフォロワー数国内1位になった子。”個を打ち出して活動していく”という、最近の僕のテーマとも合致する事から、面白い子がいるなと思っていました。実際に会うと凄く大人しくて素朴、無口だけど目力が強かったのを覚えています。

その後、何度かヨシナガ氏と会う事があり、その中で、実は坂口さんが学費に困っている事、その学費を僕が別で運営しているキャンプファイヤーで集められないかって事を相談されました。その件について三人で集まり、打ち合わせも何度かしました。その過程で僕がtwitterに「学費に困っている学生をクラウドファンディングの仕組みで救う事が出来ないか」とつぶやいた所(参考:http://ieiri.net/archives/2633)、凄い勢いでたくさんの学生から反応があり、これはいける、やるべきだ、と思いました。

結論、キャンプファイヤーは「私的な費用の集金」はやらないというオープン当初からのポリシーにより却下し、新サービスを作るしかないな、と思い立ちました。

■studygiftの構想から開発まで

僕が個人的にやっているプロジェクトでLiverty(参考:http://liverty.jp)というチームがあります。普段は社会人だったりフリーランスだったり学生だったりするメンバーがプロジェクト単位で集まって、夜な夜な徹夜で物づくりをしています。studygiftはここで作られました。僕とヨシナガ氏がディレクションをし、実質の制作日数としては3〜4日程だったのでは無いでしょうか。とにかく僕らはスピードを重視して物づくりを行いました。結果、それが裏目に出たのですが…。

制作と併せて、坂口さんにヒアリングをし、募集要項を詰めていきました。「寄付」になるとpaypalの規約に引っかかるため、「支援」に対してのリターンを設定しました。リターンは復学した際の「活動報告メルマガ」。年に一度は支援者を集めて発表会を行おう。完全に支援に頼るのでは無く、25%は自分で稼ぐルールにしよう。小口が集まらなかった時の為に、大口支援も設定しよう。どんどん決まっていきました。

僕がサービスを作るとき、常に「誰が使うのか」を考えます。自分を含め、身近な人でそのサービスを使いそうな人の顔が思い浮かばない様であれば、僕はそのサービスをそもそも作りません。今回はそれが坂口さんでした。「坂口さんを支援したい」当時も今も変わらない、この思いでLivertyチームが結束し、急ピッチでサービスを作成していきました。坂口さんが救えるなら他の学生も救えるはず、逆に言うと、身近な誰かを救えないのであれば、誰も救えない。

今回やりたかった事は二つ。一つは前述の通り「坂口さんを救いたい」、もう一つは「顔の見える新しい支援の形を実現したい」。後者の目論みがあったのも、また事実です。結果「彼女を広告塔、実験台にしている」と言った批判が出てしまった訳ですが、僕が実現したかったのはまさにここでした。従来の “どんな人にいくら渡るのか解りにくい寄付” では無く、 “この人に共感するから支援” を実現したかったのです。そこが出来ないのであれば意味がありませんでした。これも良く言われますが、元々は僕やヨシナガ氏が彼女に学費をぽんと渡せば終わりの話し。でもそれじゃ坂口さんしか救えない。studygiftが実現すれば、今後、坂口さん以外のたくさんの学生を支援出来る。そう信じていました。そちらの仕組みづくり、開発が優先され、彼女の在籍状況などの確認などがおろそかになりました。

■studygiftオープン〜炎上

二日程プロジェクトメンバー全員で徹夜した後、5/17金曜日の夜にstudygiftは完成しました。一般的に土日はリリース後の反応が薄い為、金曜日中に出してしまおうと思い、とにかくリリースしました。出した直後から凄い勢いで反応が帰ってきました。「素晴らしい」「応援します」「この仕組みは新しい」反応は上々。応援のコメントと共に、彼女への支援も増え続けました。4時間ほどで60名の方から暖かいメッセージと共に30万円の支援金が集まりました。徹夜明けという事もあり、その日はみんな早々に帰って寝ることにしました。

翌朝起きて早速studygiftを確認したところ、小口支援がさらに数十件程来ていました。喜びながらtwitter上の評判をチェックしてみると…。大量の批判。僕や坂口さん、メンバーに対する悪口もかなりありました。とにかく圧倒的な数で、死ね、乞食、物乞い、詐欺、などと書かれていました。誰かがスパム投稿ツールを回して、メンションが数千と来たりしました。その一方で、暖かいメッセージと共にどんどんあがる支援額。僕らは困惑しました。最終的に55時間ほどで彼女の目標金額である100万円を達成しました。達成した事実が後押しをして、僕は強気な発言を繰り返しました。(※ ちなみに僕の「馬鹿野郎」「ざまーみろ」といった発言は、死ね、などと言ってきた人に向けたものであり、建設的な意見や批判を言ってくださった方々に向けたものでは無い事を補足させてください。ですが、結果その発言がさらに多くの方にご迷惑をおかけする事になってしまった事は事実です。お詫び申し上げます。)

今回のstudygiftの騒動は、多数のニュースサイトやブログに考察と共に取り上げていただきました。その中で「彼女は実際に在学しているのか」とご指摘があり、再度、彼女と共に確認をした所、既に退学になっている事が発覚しました。退学扱いになっている為、”復学”では無く”再入学”になる。支援を煽る為に意図的に文章を「復学」にしたのでは無いかと批判を受けました。またオープン当初サイト内に「寄付」の文字があった事も皆様を混乱させてしまう事になりました。諸々、僕の確認不足であり、支援者の皆様、支援を検討していただいた皆様に誤解を招く表記になってしまった事を深くお詫びします。その後も多数の指摘をいただき、その度に修正をしていくという、後手後手の対応に追われてしまいました。

■問題点

studygiftの問題点は皆さんのご指摘の通りかなりの数がありました。「studygift自体の説明やシステム、運営体制の不備」「支援対象学生である坂口さんの情報の我々の確認不足、説明不足」「学費支援をクラウドファンディングで行う事の重大性の認識不足」などが大きな所では無いかと思います。お寄せいただいた問題点については一つずつチーム内で共有し、また、支援者の皆様や識者の方などと直接対話させていただき、どうすべきだったかを検討していきたいと思います。また、ブログやfacebookなどでいただいたご意見は取りまとめて、別途掲載する予定です。

■坂口さんについて

現在坂口さんはバイトをしながら再入学の費用をためている所です。今回心ない批判に晒してしまった事は私たちも心を痛めている所であり、気丈にも彼女は「大丈夫」とは言ってくれますが、頻繁にコミュニケーションをとりながらケアをしています。嬉しい事に今回の件で彼女を指名したお仕事の依頼をいくつかいただいており、そこでお礼も含めお手伝いをする事も検討している様です。暖かいご対応をしていただいた企業様には本当に感謝しています。

■「裏で繋がってる」発言について

僕のこの発言についても色々と物議を醸し、多数の方にご迷惑をおかけしてしまった事をお詫び申し上げます。一連のツイートの中で発言された物であり、前後を読んで頂ければ意図を理解していただけるものだと思いますが、僕の言葉足らずな部分が誤解を招いてしまいました。申し訳ございません。

■最後に〜studygiftにこめた思い

新しい仕組みを作る事で学生を支援しようと思った、私たちの気持ちは本当でした。今回の問題において、この気持ちが言い訳になるとは思っていません。リリースを急ぐあまりに確認不足な点が多数あったり、対応が後手後手になるなど、皆さんに不信感をいだかせてしまった点は本当に反省しております。ですが、このサービスで皆さんを騙して収益を得ようなどと考えた事は一度もありません。

繰り返しになりますが「なぜ最初の学生が坂口さんだったのか」と良く聞かれます。何故なら彼女の復学を応援したく作ったサービスなので坂口さん以外は考えられませんでした。彼女が上手くいけば、その後続く学生もいるだろう、そう考えておりました。「結局目立った学生しか救われないのは不公平だ」こういった声も良く聞かれます。僕はまずはそれでいいと思っています。溺れているときに声をあげないと助けてもらえません。個性を全面に出し、全力でアピールする事で支援を集める。studygiftの目指す形はこういった所にありました。支援者が自分の意思でひとりを選び、支援する。顔の見える個人が顔の見える個人を支援する。これを実現したかったのです。学費においては色んな支援制度や救済措置があります。その中のひとつとして、選択肢を増やしたかったのです。ただ、それを実現するにあたって、僕らの考えがまだまだ浅かった部分や、プラットフォームとして脆弱であった部分が、今回の批判に繋がった物だと認識しています。ご迷惑をおかけした皆様にはお詫び申し上げます。

今回ご支援いただきました支援金については、坂口さん自身より一旦皆様へ全額の返金を希望する申し出がございましたこと、また我々としても坂口さんの将来を第一に考えた結果、今回のご支援金を一旦返金させて頂く方向で、支援者の皆様と真摯にお話をすすめさせて頂くことが最善であるという結論に達しました。

この様な混乱の最中にありながら、坂口さんへのご支援を表明して下さった多くの方々に坂口さん本人はもとより、我々スタッフからも改めて心より感謝申し上げます。

また、支援者の皆様とは一度オフラインミーティングをセッティングさせていただければと思っています。そこで皆様の色んな意見をお聞かせいただければと思います。追ってご連絡させていただきます。

我々は今回の事態を厳粛に受け止め、至らない点を改善していく所存です。
今後の動きに関しては、studygift再開に向けて、弁護士などの専門家や皆様にご相談しながら協議させて頂き、決定次第サイトで告知させて頂きます。

最後になりましたが、この度は多大な混乱を招いてしまったことを、心よりお詫び申し上げます。

Liverty / studygift 代表 家入一真